障害年金の全体状況：業務統計（令和５年度決定分）

２０２４年９月、障害年金業務統計（令和５年度決定分）が日本年金機構より公表されました。

同統計を見ると、障害年金の全体状況について様々なことがわかります。

第１に、障害年金の新規請求に対する支給率が約９割ということです。

同統計によると、新規請求（障害基礎・厚生合計）１４２，２０９件のうち、非該当は１１，９４７件（８．４％）ですので、支給率は９１．６％となります。
（却下件数１，２０９件を含めて計算すると、支給率は９０．８％となります。）

支給率は高いようにも見えますが、医師が診断書を書いてくれたとしても、１割近くが障害年金を受給できていないとも言えます。

第２に、内部障害は、精神障害や外部障害に比べると、新規請求における等級非該当や再認定における支給停止の割合がかなり高いです。

特に、２級までしかない障害基礎年金では、新規請求に対する非該当率は精神・知的障害が７．１％、外部障害が１７．８％であるのに対し、内部障害は３６．１％%であり、精神障害・知的障害の５倍、外部障害の２倍になっています。

外部障害は、検査数値、精神・知的障害は、主に日常生活・就労状況により判断されるのに対し、内部障害は、検査数値、日常生活・就労状況の両方から判断されることが影響しているように思います。

第３に、新規裁定における更新期間は、「２年」「３年」「５年」がそれぞれ約３割、「永久」が１割弱ということです。

一方、再認定では、「５年」が約４割、「永久」「３年」が約２割、「２年」が約１割と、更新期間が新規裁定時より長くなっています。

同統計は毎年発表されています。興味のある方は是非ご覧になって下さい。

障害年金業務統計（令和５年度決定分）